世界中で愛されるバラ。その品種は4万種以上にも及ぶと言われ、春バラや秋バラまで、年中楽しめるのが魅力。そんな数々のバラに出合えるバラ園が、実は大阪府内に点在しています。取材時は、秋バラが綺麗な季節・11月。バラ愛に溢れるバラ王子こと青柳大地さんと一緒に、バラ園を巡りました。
Guide
香川県出身。サッカー強豪校である農業高校へ入学したものの、実習で種から育てた花をリヤカーに乗せて、街中で売り歩いた時に大人の女性を笑顔にできたことで、「世の中で一番人を笑顔にできるのが花だ」と確信し、花の魅力に取り憑かれる。
生花を学ぶため専門学校へ進学し、卒業後は生花店に勤務。
その後、22歳で「女性が笑顔になる瞬間を生み出したい」と、ロマンに溢れたバラと共に人生の大切な瞬間をプロデュースする「株式会社ILOVEYOU」を設立。
「花の中で唯一、花言葉が100通り以上あるバラ。だからこそ、誰にどのように渡すかストーリーに溢れている」と語る。好きな花言葉は、バラ144本の「何度生まれ変わってもあなたを愛します」。
遊園地にバラ園!? 1955年に誕生した、歴史あるバラ園
まずは、継続営業している中で日本最古の遊園地(1912年創業)とも言われるひらかたパークへ。秋には菊人形が名物となるこの場所で、春も花の恵みを楽しんでもらおうと1955年に生まれたのが「大バラ園」でした。日本におけるバラの第一人者・岡本勘治郎氏により、欧米諸国やインド、中国など、世界各国からバラが集められたそう。
2000年に大規模なリニューアルを行い、現在は約600種、約4,000株を有する英国風の「ローズガーデン」として、関西有数のバラの名所の座に鎮座し続けています。ガーデン内には、品種改良前から王侯貴族に育てられていたバラが咲く「オールドローズガーデン」エリアと、四季咲き性の品種が咲く「モダンローズガーデン」エリアが。香りに特化したエリアや、モダンローズの種類と変遷を鑑賞できる「時の小道~バラの歩み~」、さらには日本で生まれたバラ約47種が楽しめる「日本の育種家ガーデン」など、さまざまな工夫が凝らされています。
そんなバラの世界を前に、思わず唸るバラ王子。秋の見頃といえど、ここまで美しく咲き誇る姿が見られることに、「お世話をしているスタッフさんの心があったかいんでしょうねえ」と、うっとりとした眼差しでバラを慈しみながら散策しはじめました。
ローズガーデンの管理を担当されている井上さんへお聞きしてみると、王子の想像の通り「ローズガーデン」には、専門スタッフが常駐しているとのこと。日々、開園前や閉園後に剪定をはじめとした手入れに情熱を注ぎ、些細な変化にも気を配っているそう。それに応えるかのように、バラたちも最大限の美しさを披露しているのです。
春の見頃は、5月上旬から5月下旬 と6月中旬から 6月下旬(2番花)。春は期間限定で早朝ガーデンも開催しており、朝7時から静けさのあるパーク内でバラの美しさに浸ることができます。
そして秋の見頃は10月中旬から11月下旬。「ローズガーデン」の美しさを毎年楽しみにしている人たちの中には、「ひらかたパーク」の年間パスを購入して、見頃シーズンに何度も訪れ、バラの推し活に励む人も。
バラ王子と辿り着いた先に広がる香りの楽園
園内を歩き進めると、バラの華やかな香りに包まれる瞬間が。実はここ、フルーティーやスパイシーなど、7種ものバラの香りが楽しめる「フレグランスエリア」。井上さん曰く、香りを楽しむならば、よりおすすめなのは秋。気温が高くなりすぎない秋は、香り成分が空気中に長く残り、バラのフレッシュな香りが持続するのだそう。
バラを愛する理由の一つ、それは香り。バラの芳しい香りは鎮静作用もあるから、ぜひこの香りを思いっきり味わって、リラックスしてほしい。
有名人が大集合! 名女優や歴史を動かした大統領などがバラに変身!?
バラ王子が立ち止まった先には、世界の歴史的な人物が一堂に会する花壇。オードリー・ヘップバーンやアンネ・フランク、ジョン・F・ケネディなど名だたる人々の名前が。それぞれ色合いも咲き方も異なり、品種を生み出した人たちが抱く先人たちへの思いが溢れんばかり。その華やかさは、バラの先に偉人たちの姿まで見え隠れするような……!?
有名人エリアを後にし、しばらく歩くと現れたのはロイヤルファミリーにゆかりのある花壇。「プリンセス・マサコ」の美しさに惹かれた王子の近くで耳を澄ませてみると、優しくバラに囁いていました。
バラは女の子と一緒で、言葉がほしい生きもの。僕も日々、想いを伝えようと心がけています。
バラ王子が図らずも、心奪われたバラを紹介
「アンリ マティス」は、言葉では表しきれないような画家の才能が滲み出ていますね。マティスからインスピレーションを受けた、作り手の情熱に拍手!
バラ王子の庭でもある、都会の安らぎスポット・中之島公園へ!
ひらかたパークを後にし訪れたのは、中之島公園。さて、バラ王子も毎日訪れるというこの中之島公園、ただの都会のオアシスではなくバラへの本気度が高い名所の一つ。「TVチャンピオン・全国バラの花通選手権」で2度優勝し、バラ愛好家から熱く支持される小山内健さんが手がけた場所です。
昭和30年代にできたこのバラ園は2009年にリニューアルされ、花壇のブロックごとにバラの流行と歴史がわかるような構成へと生まれ変わりました。現在は、約310種、約3,700株ものバラが、この中之島公園で育てられています。大阪の中心地とは思えない数!
多くのバラ園は夜になると閉園しますが、ここ中之島公園は24時間365日自由にバラを愛でられるのも魅力。近くには大阪市中央公会堂や東洋陶磁美術館もあり、このあたりをまちあるきしながら一日を過ごすのも、おすすめです。
都会の淑女たちが、バラの写真を撮りに訪れる姿をよく目にします。その光景を見ることは、僕にとってはアイデアの源。すべてのレディたちが変わらぬ乙女心を持ち続けている美しさに触れられる瞬間なんです。
このピンクのバラが咲き誇る橋を渡って進めば、大きな芝生が。この芝生、夜になると、混沌とした街・大阪の中心で灯りに邪魔されず美しい星が見える貴重なスポットなんです。本当は秘密にしておきたかった、僕のスーパーデートコースです。
まだまだたくさん、バラ王子が愛するバラ園 4選
ここまで、バラ王子が愛する2大ガーデンを紹介してきましたが、まだまだその愛は止まりません。
太陽の塔とバラのコラボレーション
1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)跡地に整備された万博記念公園。現在も大阪人に愛される太陽の塔の背面側にある「平和のバラ園」には、約250品種 、約2,400株のバラが広がっています。
大阪万博開催当時、日本を含む世界の9カ国が平和を願ってバラをこの地へ寄贈したという歴史があり、当時の絆や交流を感じることができます。
見どころは、50年余りの時を刻み、守られ続けてきた万国博覧会開催当時から残る品種。
イギリスのバラの大家が、上皇后美智子さまへ捧げた「プリンセスミチコ」は、エレガントなオレンジが気品を感じます。ジャパニーズローズガーデンやフレグランスエリアもあり、太陽の塔と共にバラの多様性を楽しめる空間です。
日本庭園の魅力にバラが融合。浜寺公園ばら庭園
浜寺公園の中にある「ばら庭園」は、日本の山野の原風景に美しいバラが咲き誇り、水車や古民家風の休憩所などもある、日本庭園の雰囲気を味わえる特徴的なバラ園です。
園内には日本に自生する野生のバラやモダンローズなど約500種、約6,000株が植えられており、特に、香りの良い品種を取り揃えているので、五感で楽しむことが可能です。
バラの開花時期は、春咲きは5月上旬~6月上旬、秋咲きは10 月上旬~11 月上旬がおすすめです。
※ 16:00以降は入園できません
その他閉園期間がありますのでHPをご確認ください。
本国・イギリス以外ではここだけ! デビッド・オースチン・ロージズ イングリッシュローズガーデン
イギリスの世界的なバラ育種生産会社の直営ガーデンが、なんと大阪は泉南市に。世界有数の規模を誇り、オースチンのローズコレクション約3,000株以上が広がります。中でもイギリス本社にあるルネッサンス・ガーデンをもとに作られたエリアは、バラに囲まれた清流に心が洗われるような美しさ。春にはローズフェスティバルも開催。バラを愛でるだけでなく園芸用品も購入できるので、美しさに惚れ惚れし「自分でもバラを育ててみたい」という、燃え盛るパッションにも応えてくれます。
※本記事は「しっとんか大阪」から移行したものです。掲載内容は2025年3月時点の情報であり、現在とは異なる場合があります。最新の営業状況や詳細は、各店舗・施設の公式サイトなどでご確認ください。
Photo:高津祐次(Yuji Takatsu)
Edit:高津祐次(Yuji Takatsu)
Direction:人間編集部