知る人ぞ知るローカルな大阪の街の見どころを紹介する「1DAYローカルツアー」。今回は大阪府南東部に位置する、河内長野市に焦点を当てます。豊かな自然と歴史の息づくこの街には、新旧の魅力的なショップや施設が点在しています。河内長野市出身のゆーみんさんのガイドで、イチオシのスポットを巡る小旅行に出かけました。
南海なんば駅から電車で約30分、河内長野市は都会の喧騒を離れ、四季折々の美しい風景に包まれる街です。古くから交通の要衝として栄え、中でも「高野街道」は高野山へと続く玄関口としての役割も果たしてきました。
河内長野市内には、重要文化財に指定された「天野山金剛寺」や、楠木正成ゆかりの「観心寺」など歴史ある寺社が残り、日本の文化を感じられるスポットが点在。国宝と重要文化財で計85件(2024年4月時点)が登録されており、その数は全国の都市で12位にランクインしています。
また、河内長野市は伝統的なつまようじの産地としても知られています。国内産の多くが市内にある菊水産業で製造されており、高品質なつまようじは、お土産としても喜ばれています。
そんな自然と歴史、技術が融合する河内長野市。この街で生まれ育ち、プライベートでも地元でよく遊ぶゆーみんさんが、関西サイクルスポーツセンターをはじめ、カフェやワインバーなどデートにぴったりな新旧の穴場スポットを紹介します。
Guide
関西サイクルスポーツセンターで、上空30メートルのアトラクションを満喫!
最初に訪れたのは「関西サイクルスポーツセンター」。1974年に開園し、2024年に50周年を迎えました。 ユニークな変わり種自転車やサイクルコースターなど、自転車をテーマにした多彩なアトラクションが特徴で、最近は海外からの訪問客が多いようです。
名物の「変わり種自転車」は1人乗り、2人乗りなどさまざま。コースには100種類以上、約300台がスタンバイしています!
「実は先日も友だちと遊びに来たところ(笑)。いつもはみんなで写真を撮るから、見た目で選んでるけど、今日はちょっと違うのに乗ってみよう」とゆーみんさん。まずは2人乗りの自転車をセレクトして出発! 軽快にこぎ出しました。
友だち同士やカップルなどで乗れる自転車が多いのは、関西サイクルスポーツセンターの特徴。息を合わせてペダルを踏み込めば、2人の距離も縮まるはず……?
なんと、ジムのマシンの要領で、上半身を鍛えられる自転車も。
変わり種自転車は静岡県伊豆市の工場で製造されており、メイドインジャパンの品質と遊び心が感じられます。
続いては目玉アトラクションの「サイクルパラシュート」へ!
こちらも、ゆーみんさんおすすめのアトラクションです。ペダルをこぐと上空30メートルまで上昇し、大阪平野を一望する絶景サイクリングを体験できます。
「スカイサイクルウォーカー」も大人気の乗り物です。一見、ジェットコースターのように見えますが、実はこれもれっきとした自転車。地上約8メートルの高さを走行するアトラクションです。
電動のジェットコースターと比べると穏やかなアトラクションに見えますが、途中で縦横に揺れる仕掛けが隠されていて、スリルが味わえます。
ひとしきり遊び終えて、お腹はペコペコに。スカイサイクルウォーカー近くに位置するグリーンハウスでランチをとります。
スナック系のメニューやスイーツは遊びながらつまむのにぴったり。ボリュームのあるフードも充実しています。
関西サイクルスポーツセンターは、地元では遠足の定番スポットですが、大人が来てもすごく楽しいんです! 年齢や好きなもの・苦手なものに合わせて、みんなで遊べるのがうれしいですよね。個人的には、園内で流れているサイクルスポーツセンターのオリジナルソングも注目ポイント。テンポの良さがクセになります!
江戸時代から続く酒蔵が生み出した、古代米甘酒や発酵フードを堪能!
関西サイクルスポーツセンターからバスで河内長野駅に移動し、次にやって来たのは「高野街道」。高野街道は高野山への参詣道(さんけいみち)として栄え、宿場町や商家が発展しました。駅から5分ほど歩くと、古き良き邸宅や油屋、酒蔵などの建物があり、歴史ロマンを感じる景観になっています。
突然現れたのは、大きな酒樽(さかだる)! 「高野街道酒蔵通り」を象徴するスポットです。
訪れたのは、300年以上の歴史を誇る「天野酒(あまのさけ)」の蔵元である西條合資会社。13種の定番の日本酒のほか、蔵でしか買えない季節限定酒も取り扱っています。
江戸末期に建設された蔵の一部を活用したショップには、天野酒シリーズはもちろん、お酒や麹(こうじ)を使った発酵食品がたくさん並んでいます。
ゆーみんさんが手に取ったのは「天野酒 古代米麹甘酒」(あまのさけ・こだいまいこめこうじあまざけ)。古代米と米麹の色が混ざり合った、ほんのりとした小豆色が目を引きます。米と麹のうまみが口の中に広がる人気商品です。
第10代蔵主・西條陽三さんによると、天野酒のルーツである「西條蔵」は1718(享保3)年に創業。豊臣秀吉も同蔵の酒を好んでいたとされています。近年は、その酒を当時の製法を再現し復活させるプロジェクトも成功。伝統を重んじながら多彩な商品を生み出しています。
酒の味わいには使用する水が大きく影響するそうで、天野酒の定番銘柄の特徴は「大阪の酒らしい甘口」とのこと。煮付けなどの濃い味付けに負けないうまみがあるといい「大阪のお母ちゃんが作る昔ながらの甘〜い料理によく合うんです」と教えてくれました。
自慢の発酵食品も試食させてもらいました。「味噌や醤油と麹の組み合わせは、発酵食品同士だから、おいしくて体にもいいんです。お酒のおすすめも遠慮せず聞いてください。今夜の献立を教えてもらえれば、ぴったりの1本を選ばせていただきますよ」と話す西條さん。
天野酒はお酒も発酵フードもおいしいんです! お店の空間や、漂っている香りも酒蔵ならでは。高野街道は、幼いころから親しんできた風景ですが、大人になってその美しさが分かりました。個人的にお祭りの思い出がある「長野神社」も素敵なので、併せて訪れてもらいたいです。
古着×カフェのI STAND FOR GOD’S SIDEで、一息つきながらショッピング
河内長野駅から南海電車で1駅揺られ、降り立ったのは千代田駅。ゆーみんさんの職場の最寄りで、馴染みのある街のひとつです。「千代田はごはん屋さんやお店が多くて、便利なエリア」とのこと。ここでは新スポットを紹介します。
駅から続く大通りを歩き、到着したのは古着とコーヒーの注目店。
「I STAND FOR GOD’S SIDE」は、オリジナルアパレルや海外で買い付けた古着を取り扱うショップです。1階の一部をカフェ「I STAND FOR CAFE SIDE」として営業。買い物を楽しみながら一息つける空間として人気を集めています。ゆーみんさんもずっと行きたかったようで、「やっと来れた!」と喜んでいました。
こだわりのコーヒーを味わいつつ店内をディグ。古着好きというだけあって、スタッフさんとのトークにも花が咲きます。
リーズナブルに古着を提供するために、海外で直接買い付けているのも「若い人たちがふらっと来てくれたら」との考えから。ゆーみんさんはラックから気になるものをピックアップしつつ「攻めたデザインや色使いに挑戦できるのが古着の面白さ。好きなものから刺激を受けると、仕事へのインスピレーションにもなりますよね」と話していました。
こんなに服があって、リラックスもできて……つい長居してしまいます(笑)。私が高校生のころにあったら、間違いなく通い倒していたと思います! お店の方の「若者が集まれる場所をつくって街を盛り上げたい」という思いも素敵なので、スタッフの人柄にも触れてほしいです。
パーラー西村の極上スイーツとワインで、旅の余韻に浸る
夜のとばりが降り始め、ツアーも終盤に。千代田駅からすぐの「パーラー西村」は河内長野の人気店「西村洋菓子店」のオーナー・西村隆也さんが2021年10月に開いた、スイーツとワインが楽しめるお店です。「持ち帰りのお菓子では表現できなかったものを、お客さんに楽しんでもらいたくて」という思いを形にし、憩いのひとときを提供しています。
ゆーみんさんが選んだスイーツは、一番人気のクレープシュゼット。フルーツは季節ごとに変わります。「ワインエキスパート」の資格も持つ西村さんの勧めで、白ワインを合わせました。
お皿がテーブルに運ばれた瞬間から、周囲にはバターとオレンジの香りが漂っていました。
一方、オリジナリティを発揮したベーグルも人気です。たこや天かす、紅しょうがなどを練り込んだ、たこ焼き風のベーグルにはスパークリングワインをセレクトしました。
できたてで本格的なスイーツとワインの組み合わせ、ご機嫌になっちゃいます。一日のご褒美に、ゆっくりと味わってほしいです。「河内長野でおいしいケーキといえば西村洋菓子店さん」というくらい不動の人気ですが、さらに新しい業態にチャレンジされていて、しかもそれを地元でされているのがかっこいいですよね。
伝統と革新が混ざり合う河内長野で、リフレッシュ&癒しの一日を
関西サイクルスポーツセンターの非日常感や、高野街道の風情、思わずのんびり過ごしてしまうカフェ。そして極上のスイーツにワイン……。ゆーみんさんは「偶然にも前半は定番や歴史的なスポット、後半は新しいお店を紹介する流れになりました。河内長野の新旧2つの面を見てもらえたかな」と振り返ります。それぞれの場所では、出迎えてくれた人のエネルギーも実感したといいます。
自然と文化をぎゅっと凝縮して巡った1DAYツアーでしたが、ゆーみんさんはまだまだ案内し足りない様子。「春から秋にかけてはバーベキューやキャンプなど、アウトドアで楽しめる場所もたくさんあるんです。大阪市内からでも、電車一本ですぐに来られるので『急に予定が空いちゃったな』という日にも、気軽に訪れてください!」と語る表情には、一層強くなった地元への愛がにじんでいました。
※本記事は「しっとんか大阪」から移行したものです。掲載内容は2025年3月時点の情報であり、現在とは異なる場合があります。最新の営業状況や詳細は、各店舗・施設の公式サイトなどでご確認ください。
Photo:北川暁(Satoru Kitagawa)
Edit:南野義哉(Yoshiya Minamino)
Direction:人間編集部