「大阪で焼肉の街といえば?」と聞かれたら、鶴橋と答える大阪人も多いでしょう。しかし、大阪府の南河内地域にある羽曳野市(はびきのし)は、食肉産業で約140年もの歴史を持つ関西でも指折りの焼肉の聖地なんです。 「美味しい焼肉が食べたい……!」そんな焼肉ラヴァーな皆さんに向けて、肉コラムニストのうらともえさんが羽曳野市内の絶品焼肉スポットをご紹介します。
Guide
音楽家。肉食愛好家。 サックス奏者として自身の作品やCM音楽を手がける一方、好きが高じて肉コラムニストとしてメディアでも活動中。また、大阪日本橋にある立ち飲み店「スタンド ディドリーボ」の経営にも携わっている。
大阪府南部に位置する羽曳野市は古代史跡や無花果の産地(もちろんダルビッシュ有投手の出身地としても!)として知られていますが、古くから食肉産業も盛んに営まれています。てなわけで焼肉ラヴァーには地元の新鮮なお肉やホルモンを提供する焼肉名店が数多くあることでもお馴染み、焼肉の聖地なんです。
今回は近鉄南大阪線大阪阿倍野から急行で聖地まで16分、恵我ノ荘(えがのしょう)、古市(ふるいち)周辺の焼肉屋さんから厳選した4店を紹介させていただきます。
01. 焼肉こじま 本店
焼肉の聖地羽曳野で約半世紀、進化を続ける老舗のど迫力!
ども!肉食愛好家うらです。今回は南大阪焼肉の聖地羽曳野で焼肉三昧。嬉しすぎて昨日は眠れなかったっすよ! と、いうわけで1軒目は昭和53年創業の老舗「焼肉こじま本店」さん。こちらのお店は地元の焼肉ラヴァーのみならず、彼の地の肉卸売業者さん達も足繁く通うという名店ナンデス。
シュロの木を横目で眺めながら暖簾をくぐり、引き戸をするすると開ければ、そこは焼肉パラダイス。年季の入ったカウンター越しに整然たる調理場!この景色だけで大ライスいけます。手始めにいただいたのはランチタイム限定のスペシャルメニュー「黒毛和牛レアハンバーグ」です。昨今ブームの兆しがあるレアハンバーグですが、「こじま」さんのそれは次元が違うよ。開発にミシュラン三つ星店出身シェフが携わったそれは黒毛和牛100%の食感と肉の旨みを最大限に引き出した逸品。専用のスキレットで焼きを入れた表面を割り、とんでもなく滑らかなレア中心部に卵黄を崩してから焼肉のタレをベースにした特製ソースでいただきます。ライスとの相性は言わずもがな!
黒毛和牛レアハンバーグ!
幻の生白センマイ
上ハラミ
今回ご紹介したメニューも絶品逸品揃いですが、こじま本店さんはとにかくメニューが豊富。タンの項目だけでも10品目、精肉メニューやヘレ、シャトーブリアンにイチボなどなど。いつの日か全品制覇を夢見るわたし。土日はお昼からランチメニューと通常焼肉メニューが楽しめるので特におすすめです。
02. 焼肉一心
細やかなお店の心遣いとお肉の美しさに感動!
聖地巡礼の2軒目は恵我ノ荘駅から徒歩15分「焼肉一心」さん。スカッと明るい店内、黒板メニューには可愛らしい文字が踊るポップなお店です。こちらの店は生食認可焼肉店ということでスペシャリテは生食。お肉の造りが大充実でございます。と、いうわけでさっそく「お造り2種盛」(1,400円)をいただきました。この日のオススメはバラ肉の最上級部位である「さんかく」とモモ肉の中でも繊維のキメが細く脂の少ない「かめのこ」の盛り合わせ。「さんかく」は口中で溶け出す脂の旨味と甘みが鮮烈、「かめのこ」は赤身ならではの香りと旨味が最高だー。
お造り2種
和牛ユッケ
「一心の箱盛り」は囲い箱にセットされたひな壇にずらりとお肉が並んだ焼肉の宝石箱や! 常時20種以上のお肉の中から、店主がその日のおすすめを厳選した9種全員主役級部位がブイブイ言わせます。この日は最上段に「タンもと」「タンつら」「タンなか」とタンが3種あったので一枚ずつ食べ比べてみました。これ、王様がやるやつやん。脂のりが一番よく、濃厚な味わいの「タンもと」、コリコリした食感が楽しい「タンつら」、これぞ牛タンという味わいの「タンなか」という塩梅。私の好みはやっぱり「タンもと」かな?ワインとの相性も抜群なのよ、これが。
一心の箱盛り
「焼肉一心」さんはわかり易い部位の説明やメニューの案内などなど、細やかな心遣いが行き届いたお店。ステーキカットや厚切り、薄切りとオーダーカットにも快く対応してくださるので、焼肉ビギナーさんや家族連れにも最適です。
03. 焼肉牛王
溢れる男気!王様の焼肉はボリュームも半端ねー!
3軒目に伺ったのは「焼肉牛王 羽曳野本店」です。牛の王と書いて「ごおう」と読みます。取り敢えずってことで、おすすめの焼きシャブロース(税込1,628円)と焼きすきロース(税込1,628円)を注文してみたのですが……想像を遥かに裏切るボリュームにまずビックリ。共に大判カットされたリブロースがなんと2枚も!鉄板はみ出サイズのお肉がこのお値段って、ちょっと男気が過ぎますよ!
焼きしゃぶロースは青ネギたっぷりのポン酢でいただきました。ワイルドかつジェントルな脂の旨みがとにかく強烈。気がつけば2枚共ぺろり。焼きすきロースは卵にくぐらせてライスと一緒に。これ、嫌いな人類っているのかな? お肉はもちろん、甘い割り下と肉汁をバウンドさせたライスも最早一品料理だ!
焼きシャブロース
焼きすきロース
続いていただいたのは通常メニューのロース。並ロースを注文したはずなのに、美しいサシがバッキバキ入った極上ロースが登場。え、これで普通なんですか! 200gはあろうかというボリュームも含めてやばいな「牛王」さん。まずは塩で焼いて肉の旨味を堪能したら、続けてガーリックチップと食べてみて。ぶっ飛ぶやつです。
ロース
「お客さんの想像を超えるお肉を提供したい」と話す店長さん。越えすぎですよ!「焼肉牛王 羽曳野本店」さんにはとにかくお腹を空かせて行って欲しいっす。全メニューの質と量がやばいんだよー。コスパ桁違い最強店。
04. 我流焼肉宗左ヱ門
聖地の国道沿いに最強の焼肉屋を発見
聖地巡礼オーラスは古市駅から車で南下、府道27号線から見える巨大な「やき肉」看板が目印の「我流焼肉 宗左ヱ門 (そうざえもん)」さん。入り口にはハンギングチェアーが置かれたポーチがあり、雰囲気はさながら西部開拓時代のカウボーイ酒場。店内にはテーブル席と掘り炬燵席があり、テーブル中央の無煙ロースター熱源はなんと炭火。
席に着き、メニューをチェックすると私の大好物マルシン(もも肉のど真ん中)を発見。「宗左ヱ門」さんのマルシンはトリミングがとにかく美しくて、その断面を見惚れてしまう程。炭火の柔らかな熱で焼かれたお肉は最高の焼き上がりで赤身特有の旨味がガツン。人類の肉と火の歴史に感謝。
マルシン
続いては一枚単位で注文できるテール(税込330円)をオーダーしました。テールの骨まわりは食感が楽しくて独特の旨味があるので、気がつけばいつまでも骨をしゃぶってしまいます。うー、酒くれい!
テール
そして焼肉の聖地巡礼のシメとしていただいたのは「ホルモンの一人鍋」(税込1,430円)。たっぷりのてっちゃんと鍋には珍しいハラミをお野菜と一緒に甘辛いタレで炊き上げた最高のホルモン鍋。てっちゃんの脂が染み込んだお出汁で最後は定番のうどんをつるつる。ああ、日本に四季が、冬があって良かった。
ホルモンの一人鍋
駅から然程遠くはないのに、何故か旅先の遠国で旨すぎる焼肉に出会ってしまったような錯覚を覚える不思議なお店。五郎さんじゃないけど、世俗のアレコレを一旦忘れ、自由に、無心で焼肉と向き合えるのがいい。
肉のまち羽曳野。市内在住者の皆さんには近くて遠いイメージがあるかもしれませんが、ワクワクを抱いて近鉄南大阪線に15分ほど揺られることを強ーくおすすめします!進化する老舗「こじま本店」さん、絶品生食「焼肉一心」さん、男気溢れる「牛王」さん、焼肉情緒満点の「我流焼肉 宗左ヱ門」さん、今回お伺いしたどのお店にも感じた焼肉愛と食肉の街のプライド。それを体験するにはやっぱりお出かけしなきゃデス。
関連ツアー
【DeepExperience】関西屈指の肉の町『羽曳野』で焼肉はしごツアー
- 地元民に愛され、予約困難な人気店のイチオシ絶品肉を食べまわる贅沢ツアー
- 焼肉激戦区の羽曳野市で、140年を超える食肉産業に触れる
- 老舗和牛専門店も多く、厳選された国産和牛の希少部位や安全基準を満たした生肉を食べれる
- 市内に加工所があることで仕入れ先が近く、新鮮で良質な肉が味わえる
- 各店のスタッフさんが提供される肉の種類、おすすめの焼き方や食べ方などを丁寧に教えてくれる。
- あべのハルカスや天王寺動物園がある大阪阿倍野橋駅から電車で約15分とアクセス良好
※本記事は「しっとんか大阪」から移行したものです。掲載内容は現在とは異なる場合があります。最新の営業状況や詳細は、各店舗・施設の公式サイトなどでご確認ください。
Photo:平野明(Mei Hirano)
Edit:トミモトリエ(Rie Tomimoto)
Direction:人間編集部