「好き」を突き詰めるマニアをゲストに、大阪の魅力を深ぼりする「OSAKAマニア探訪」。今回は、テクノロジーとポップカルチャーを融合させた独特の世界観を表現するフォトグラファーのJulie Watai(ジュリ ワタイ)さんに、レトロポップ&サイバーパンクな日本橋・電気街のフォトスポットをガイドしていただきました。
関連ツアー
【DeepExperience】NEO-OSAKA 日本橋 サイバーパンク・フォトツアー
大阪・日本橋は、アニメ・レトロな電気街が融合した独自のカルチャーが息づく街。日本橋のディープなスポットを巡りながら、サイバーパンクの世界観を体験できるフォトツアーを開催!特別ゲストとして、サイバーパンク界の著名なフォトグラファー・Julie Wataiさんを迎え、日本橋の新しい魅力を探求する旅へLet’s Go!ツアー中に撮影した写真は、Julie Wataiさんの監修のもと、サイバーパンクな世界観の写真に加工、特別な記念として参加者にプレゼント!
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いまや海外でも認知されつつある大阪・日本橋エリア。家電製品やパソコン周辺機器にはじまり、フィギュアやゲームなどのアニメ・マンガ関連グッズを扱う専門店が集まる「でんでんタウン」周辺は、「東のアキバ、西のポンバシ」として知られる西日本最大の電気街です。
そんな日本橋をガイドするのは、テレビゲームや電子工作のマニアであり、Photoshop黎明期にCGを駆使してアキバカルチャーを取り入れたセルフポートレート写真集「SAMURAI GIRL」を発表し、海外でも評価されたフォトグラファーのJulie Wataiさん。
いわゆるオタク文化に精通した彼女にとっても、レアなゲームやマニアックな部品など、その道のプロである店員さんに色々相談しながら買い物が楽しめる日本橋は、昔から「大好きな街」なのだとか。
そんな日本橋の良さを発信すべく、今回は日本のアニメやゲームが大好きなドイツ出身の留学生・ソフィアさんをモデルに、レトロポップ&サイバーパンクな写真を撮影していただきました。
Guide
写真家、アーティスト、DJ。元グラビアアイドルでメイカームーブメント以前から電子工作の活動なども行う。 最近AIDにて出産し、絶賛子育て中のギーク母さん。現在地元大阪でアーバンでテクノなたこ焼き屋の経営をはじめる。
■経歴
書籍 『SAMURAI GIRL 』(DRAGO and Arts Italy)、『はーどうぇあ・がーるず』(コノハナブックス)、『HARDWARE GIRLS MAGAZINE』(MOOK、三才ブックスブックス)、『トーキョー・フューチャー・クラシック』(DUブックス)
レトロゲーム文化のパイオニア的ショップから、日本橋ツアーをスタート!
まず最初に訪れたのは、日本橋エリアで2000年から営業されているレトロゲームショップ「ゲーム探偵団」。往年の名作から入手困難なレアものまで、とにかく豊富な種類のゲームソフトを扱っているお店です。
店内には、壁を埋め尽くすかのように陳列された大量のゲームソフトが! 最近はSNSやYouTubeを見た外国人観光客が多く訪れているそうで、日本のゲームが大好きだというソフィアさんも、とっても喜んでくれたご様子。
最近では海外人気もあいまって、ますます希少性が高まっている日本のレトロゲーム。20年以上日本橋で営業を続けるゲーム探偵団は、西日本のレトロゲームカルチャーのパイオニアといわれています。専門店にありがちな入店しづらい雰囲気はなく、ゲームマニアだけでなくライトな層も懐かしのゲームとの再会を楽しめるお店です。
ゲーム探偵団が店を構える日本橋の電気街・通称「でんでんタウン」は、堺筋の東西およそ1kmに渡るアーケード沿いに店舗が連なる、大阪有数の商店街。専門分野に特化した小売店など、さまざまなお店が150店以上集まっています。
いつ来ても楽しいゲーム探偵団! ゲームソフトだけでなく、ゲームミュージックのサウンドトラックや攻略本、同人誌などのお取り扱いも。日本橋のお店って、いわゆるオタク向けのショップに偏っているわけでもなく、アニメファンの人たちだけが集まるスポットでもないんですよね。大阪らしい雑多なムードに、昔から魅力を感じています。
昭和ムードとサイバーが融合!? 日本橋商店会の新鋭アパレルコーデを撮影
でんでんタウンから歩いて数分、一本西に入った筋に面して広がっているのが「日本橋商店会」。賑やかなでんでんタウンとはまた違う、昭和レトロなムードあふれるこちらのエリアには、電動工具や家電の専門店だけでなく着物・毛皮・骨董・アクセサリーなど、とにかく色んなお店がぎゅっと集約されています。
こちらは、日本橋商店会にあるアパレルショップ「るんるんストア」。店頭の地面を照らすLEDスポットライトサインには「陰キャ100 % 」の文字が……! 個性的な外観に、期待が高まります。
こちらのお店のコンセプトは「陰キャギャル」。ゲームやSF、サイバーパンクなどをテーマにしたデザインで「自分から話しかけられない陰キャが、他人から声をかけてもらえる・自己主張できるアパレルやグッズ」などを展開しています。
オーナーのるんるんさんは、4年ほど前から会社員と並行して制作活動を開始し、ポップアップストアなどでの出店を経て、2024年8月にるんるんストアを開店したそう。
今回は、るんるんさん直伝のコーディネートをソフィアさんに着用してもらい、Julieさんが撮影します!
Julieさんが撮影した写真はこちら!
オリジナル商品のパーカー、メタリックなスカート、カラフルなレッグウォーマーを身につけたソフィアさん。 ばっちり着こなしていますね。サイバーなファッションと日本橋商店会のアンバランスさが映えて、カメラをかまえるJulieさんのテンションも上がります。
店頭だけでなく、一部商品はネットからでも購入可能なので、ぜひ公式サイトもチェックしてみてくださいね!
オタロード近くのシックな内観のネオ・純喫茶で一休み
日本橋商店会のレトロな世界観を堪能したあとは、すぐ隣の「オタロード」を歩きます。目的地はオタロードの一角に佇む、レトロな喫茶店「喫茶 松竹」。店内に入ると、オタロードの喧騒からは想像もつかないシックな内装に驚きます。
2021年にオープンしたこちらのお店。前オーナーが営んでいた「竹」という名の喫茶店を引き継いだ名残で、「喫茶 松竹」という店名になったそう。ソフィアさんは「ステンドグラスがヨーロッパの教会みたいで素敵」と内装に見入っていました。
喫茶 松竹のこだわりは、内装だけではありません。ケーキはすべて自家製で、スイーツメニューだけでなく、フードメニューも充実の品揃え。人気メニューのナポリタンは自家製ベーコンを使った自慢の一皿なのだとか。今回は、喫茶店らしいメニューの甘味を中心に注文してみました。
ホットケーキは見た目の美しさだけでなく、中がふわふわの絶妙な焼き加減が美味しい! クリームソーダとレモンスカッシュのオーソドックスなビジュアルにも、レトロな愛らしさを感じます。
「日本のプリンははじめて」というソフィアさん。「ドイツのプリンとは全然違うけど、日本のプリンもとても美味しい!」と、気に入ってもらえたみたいです。
喫茶 松竹が店舗を構えるオタロードは、2005年から開催されている国内最大級のコスプレイベント「日本橋ストリートフェスタ」でも有名ですが、もともとは家具店が集中するエリアだったとか。2000年代はじめ頃からサブカルチャー系のお店が増え、2010年頃には「オタロード」という呼び名が定着したそうです。
最近は、フィギュアショップや漫画専門店に加え、コンセプトカフェやメイドカフェなどの日本独自のサブカルチャー体験を求めて外国人観光客が急増し、さらなる賑わいを見せているエリアです。
メイドカフェは知っていましたが、日本橋にこんなに落ち着ける喫茶店があるなんて、びっくりです! 休憩にピッタリのお店なので、人混みに疲れた際はまた立ち寄りたいです。
海外の人にも愛される「レトロネオン・ファッション」を着こなそう!
喫茶 松竹から歩いてすぐの「魔法企画」は、オタロードでは珍しいアパレルに特化したショップ。流行の風刺や仮想現実をテーマにしたアパレル商品を展開しています。1990年代を連想させるどこか懐かしいモチーフをベースに、レトロネオンな色彩を組み合わせた商品が人気だそう。
漢字がデザインされていたり、漫画のイラストが描かれていたりするアパレル商品は、海外の人からも人気なんだとか。こちらのお店では、ソフィアさんに似合う服を店長のロールさんに選んでいただきました!
ロールさんのチョイスは、人気漫画家・遊人さんとのコラボパーカー! こちらの商品は近隣のコンセプトカフェで働くキャストさんにも人気で、キャストさんを推すファンがプレゼントとして買っていくことも多いそうで、日本橋らしさを感じますね。せっかくなので、購入したパーカーを着て、次のスポットに出かけます!
オーナーがコンセプトカフェの制服などをデザインしていたことがきっかけで、オタロードに店を構えることになったという異色の経緯を持つお店。ここでしか買えない個性的な服が多くて、ついつい目移りしちゃいます。
新旧のアーケードゲームが楽しめるゲームセンターで撮影!
オタロードの北側にあるゲームセンター「アテナ日本橋」にやってきました。1〜2階はプライズゲームのフロア、3階はカプセルトイ専門店、4〜6階は対戦格闘ゲームを中心としたフロアの6階建てです。
4〜6階のフロアでは、最新のゲームから懐かしい旧作まで幅広いラインナップが揃っていて、ゲームマニアからの支持を集めています。
格闘技ゲームの代表作「ストリートファイター」をはじめてプレイし、「とってもエキサイティング!」と大満足のソフィアさん。
筐体から漏れ出る蛍光灯の青い光が独特な世界観を作り出す店内で、ふたたび撮影会! るんるんストアのヘアクリップと魔法企画のパーカーがサイバーな店内にマッチして、とてもいい写真が撮れました。
見たことない日本のアーケードゲームがたくさん! ドイツには日本のゲームセンターのような施設はほとんどないので、すごく新鮮な体験でした。
壊して遊んでストレス社会を打破!? クラッシュバーで、非日常をカメラにおさめる
アニメ・ゲーム以外にも「破壊エンタメ」と呼ばれる新たなカルチャーが、日本橋界隈でじわじわと勢力をのばしつつあります。今回訪れた「U2 unusual underground」は、プランによってさまざまな物を壊せる「クラッシュバー」として人気を集める、複合エンタメ施設です。
店内は「破壊エンタメルーム」「和室(ちゃぶ台返し用)」「エアガンエリア」に分かれていて、破壊エンタメルームではプランに応じて家電製品や家具、お皿、ビンなどを破壊しまくることが出来ます( 料金によって壊すものや量は異なります)。お店で用意されているハンマーやバットを振り回して、心ゆくまで破壊衝動を満たせるスポットなんです!
レンタルの防護服を私服の上から着用し、あとは自分の思うままに破壊行動が楽しめるこちらのお店、最近は海外観光客の利用も増えているそう。前職のブラック企業で溜まったストレスがきっかけで、お店を開業したというオーナーの白山さんいわく、「日本人はストレス発散目的でご来店しても、最初は遠慮されている感じ。海外の方はエンタメ目的で遊びに来て、最初から全力で破壊を楽しんでくれます」とのこと。
クラッシュバー初体験のソフィアさんは、割れ物10kg分を好きに破壊できる「破壊エンタメ」のライトプランをチョイス。最初は瓶を割るのに苦戦していましたが、慣れてくると全力で瓶を叩き割り、壁に投げつけて楽しんでいました。
さらに、ちゃぶ台返しも体験させてもらいました。コントのような台本も用意されているので、動画を撮ってSNSにアップする人も多いそう。ちゃぶ台の上に並ぶ食器や和食などの小物がよくできていて、倒れたちゃぶ台を前にソフィアさんも大笑い。「まさに日本でしかできない体験!」と喜んでもらえたみたいです。
非日常感あふれるロケーションで、とても楽しく撮影できました!「こんなにストレスがたまってたんだ」とはじめて自覚するお客さんも多いらしいです……。
なんばに佇む九龍城砦……ツアーの締めは、サイバーパンクな立ち飲み屋で乾杯
たっぷり遊んで、外はもう真っ暗! 裏なんばにあるキャバレーのネオンが、夜のとばりによく映えます。色とりどりの看板の下を、年齢や国籍問わずたくさんの人が行き交う雑然としたなんばの街は、大阪らしさをひしひしと感じるエリアです。
ツアーの最後に訪れたのは、千日前にある立ち飲み屋「スタンド原宿」。2020年オープンのこちらのお店は、香港の九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)のようなアンダーグラウンドな世界観をイメージしたというサイバーパンクな店内が人気です。
パナソニックの高音質音響機器ブランド・Technicsのレコードプレイヤーから流れてくるBGMが心地いい店内。音楽イベントを開催したり、自身もDJをしたりしているというオーナーのこだわりで、スタンド原宿含む系列店のBGMはすべてレコードで流しているそう。
おすすめのコーヒーマティーニ、スモークゴッドファーザー、燻製はちみつチーズを注文しました。
スタンド原宿でも、サイバーな店内を生かした写真を撮影! おしゃれな立ち飲み屋さんは増えつつありますが、「サイバーパンク」をテーマにした立ち飲み屋さんは珍しいのではないでしょうか? 独特の雰囲気に満ちた店内は、写真映えすること間違いナシです!
新旧の魅力交わる日本橋で、自分だけの撮影スポットを見つけよう
アニメやゲームだけにとどまらない、いろんな文化が入り混じる日本橋の魅力をお伝えした今回の「OSAKAマニア探訪」。昭和の古き良き雰囲気を残しつつも、新たな文化をどんどん受け入れる懐の深さこそが、ほかの電気街とはまた違う日本橋の良さではないでしょうか。
ソフィアさんも「今まで見たこともないようなお店だけでなく、22歳の私が生まれる前に誕生したゲームに触れたり、初めての体験が出来たりして楽しかった」と語ってくれた今回のツアー。ガイドのJulieさんは日本橋上級者ですが、写真を撮りながら巡ることで、新旧交わる日本橋の魅力を改めて発見することができたそうです。
皆さんも、カメラやスマホ片手に日本橋に遊びに来て、自分だけのお気に入りスポットを見つけてみてくださいね!
※本記事は「しっとんか大阪」から移行したものです。掲載内容は2025年3月時点の情報であり、現在とは異なる場合があります。最新の営業状況や詳細は、各店舗・施設の公式サイトなどでご確認ください。
Photo:平野明(Mei Hirano)
Edit:狸山みほたん(Mihotan Tanukiyama)
Direction:人間編集部